【スペースジェット(MRJ)】撤退の要因は「技術不足と経験不足」 開発中止をスクープした編集長が指摘【専門家が解説】 (2023年2月7日)

開発中止報道をスクープした航空経済紙「Aviation Wire(アビエーションワイヤー)」の吉川忠行編集長は、三菱重工がスペースジェット事 ...
開発中止報道をスクープした航空経済紙「Aviation Wire(アビエーションワイヤー)」の吉川忠行編集長は、三菱重工がスペースジェット事業から撤退した要因は「技術不足と経験不足」と指摘。

国が機体の安全性を証明する国土交通省の「型式証明」への見通しの甘さが招いた結果だと解説する。

---ずばり、なぜ開発を断念したんでしょうか

一言でいえば、技術不足と経験不足です。

---まずは技術不足の方から教えてください

機体としては出来上がっているのですが、民間機を生産する場合、国が機体の安全性を証明する「型式証明」を取得する必要があります。
ただ、これはアメリカの安全証明を取得することを見越した極めて高いハードルです。

取得のために三菱重工業は何度も申請をし、その都度改良を繰り替えしました。
これまで一兆円投じてきましたが、取得までにさらに数千億円規模で費用が掛かり、採算が取れないことが今回の撤退の大きな理由の一つです。

---型式証明を取得できる機体を作るのはそれだけ難しいのでしょうか

そうですね。YS-11(戦後初の国産旅客機)から数えると半世紀という期間が空いています。安全性という部分も、新しい基準で考える必要があります。
適合するために外国人のエンジニアを雇いましたが、事態は好転しませんでした。

海外の技術者を早い段階で投入していれば、スムーズに型式証明を取得できるノウハウを得られたかもしれません。

---これまで三菱重工も軍用機などで携わってきたはずですが

軍用機は「飛ぶ飛行機が作れれば良い」というような大雑把な言い方ができるのですが、民間機は100人、200人というお客さんを乗せて飛ばなければいけません。
なおかつ、どんな国の航空会社でも安全に飛ばなければならず、安全性という点が今までの三菱重工の経験とは違う分野だったということです。

---それだけ困難で、かつお金がかかるということに対して、当初から見通しは立っていなかったんでしょうか

三菱重工の泉澤社長の会見でも、見通しが甘かったというのは認めている点です。

---航空機産業に参入した中小企業としては、はしごを外されたような感覚もあると思います

おっしゃる通りです。中部圏にとっては航空機は大きな産業なので、期待されていました。
軍用機では新たな商圏の拡大は見込めないことになります。

---技術自体が失われることにはなってほしくないですね

自衛隊の次期戦闘機や、大阪万博で期待される「空飛ぶクルマ」が飛行機としては存在します。
新しい航空分野で日本の航空機産業の知見や経験が活かされると良いと感じています。

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